先生、お世話になっております。夏は盛り、蝉はわんわん、うちの犬はクーラーの下で寝ています。日に二回散歩に行きますがお日様が出ると暑くて仕方がないので、先月末くらいから朝は日の出と共に、夜は日が沈んでしばらくして、アイスノンをつけながら歩いてます。私も暑いですけど毛玉はもっと暑かろうと思います。一度刈ってやってもすぐ伸びるものですね! まったく元気でよいものです。  近頃近所にはタワーマンションが増えました。高層よりももっと高くて、見上げてもてっぺんには届かないほどです。もろもろを考えると住もうとは思いませんが、部屋から見える景色は格別なのでしょうね。  私が子供の頃は田舎に暮らしていましたので、地面は低く、入道雲が鬼のように見えて怖い頃もありました。雨など降らず燦々と晴れていたのに、暗くて悪いものが来るのかと震えていました。兄がそれをゲラゲラ笑っていたのでむしろそれに救われたというか、恥ずかしさで躍起になって兄を追いかけていた記憶もあります。その兄は今元気に工場で働いていて、なかなかの仕事ぶりに感嘆しました。私とはまったく違う職種ですが、だからこそ改めて受ける感動はありますね。  タワーマンションは夜になると異彩を放ちます。団欒のあかりを灯しているのに何故か恐怖を覚えます。犬がいつも笑っているのでそれを見て心をなだめておりますが、ぼんやりと子供の頃を思い出して、切なく思うことがあります。  先生は私の倍以上も生きておられるので怖いことなどないと思っていました。ですが先日の新聞のインタビューを拝見すると、怖いと思うものや可愛いと思うものについてお話しされており、ますます親近感が増すばかりです。  来週もお会いできることを楽しみにしていますね。どうぞご自愛ください。  寛仁