先生、聞いてください。春に進学したら私と同姓同名の人がいたんです。しかもその人は男性です。男性でこの名前はなかなかおらず、一瞬慄いてしまいました。けれど私は果敢に彼に話しかけ、先日からお付き合いをすることになりました。 それから私たちは、互いに同姓同名だということを強く認識するようになりました。付き合い始めによくある、もし結婚したら、という話題ではもちろん「郵便物どっちか分からなくなるね」や、「婚姻届を受理する人に怪しまれないかな」などがありました。他にも「子供の名前」や「第二子の名前」、「素敵な夫婦として表彰された際表彰式で名前を呼ばれるなぁ」など多岐にわたり、早急に解決して解決策を相手に伝える必要があるとして一致しました。 それから二ヶ月経ち、彼が我が家に遊びに来ることになりました。母は私が同じ名前の人とお付き合いをしていると知っていますが、父は私に彼氏がいることすら知りません。 しかし今更焦っても仕方がないと、二人して私の親に挨拶をしました。父は始めきょとんとして、それから彼の名前を聞いて、「へぇ、同じ名前だねぇ」とだけ言って部屋へ下がりました。 あまりにもあっさりしすぎていませんか? 父は私の彼に対してなんの感情もないといった風で、彼が持ってきたおやつはいそいそと食べに来て、このみかんゼリー美味しいなどとにこにこし、またいそいそと部屋へ戻り、彼が帰宅する時にバイバイと手を振って、何事もなかったかのように夕飯を食べています。 娘冥利に尽きません。まったく。 先生はどう思われますか? 父も先生の生徒だということは知っていますが、こんなにあっさりと育つものでしょうか? 父にはもっと自分の感情を出すように私も教育しておりますが、どうか先生からも、もっとジェラシーについて学ぶようお言付けいただけると嬉しいです。 先生のお誕生日まであと半月あまり、私もとても楽しみにしています。今年の夏は暑いと言われていますのでどうかお身体にお気をつけください。バナナがとても美味しいのでおすすめです。 爽香