先生こんにちは。梅雨が明けそうですよ。今朝から燦々と日が照って、アスファルトを歩く猫が熱そうにしていました。アジサイからひまわりに代わって、また色鮮やかなご近所と過ごしています。 この頃はボランティアも活動が増えています。犬猫の世話と、親の世話、子供の世話に自分の息抜き。ひと息つくのも苦労しますね。 先生のおかげで今はゆっくり息抜き出来るようになりました。ふうっとカフェでコーヒーを飲んだり、お散歩も良いものだと感じるようになりました。先生も多趣味でしたね。先生の作品、刺繍や陶器、パッチワークに園芸、出されている本を読むたびに素敵だなぁと感じています。私もそんなふうに過ごしたいと思って、好きなことはどんどんやろうと思っていますが、クオリティを上げるって難しいものです。世のお師匠さん、先生と呼ばれる方は本当に頭が下がります。 先日娘の恋人が家に遊びに来たんです。涼子はもう二十二歳になりますよ。先生におむつを替えてもらっていた時が懐かしいです。 その恋人が、我が家にお土産を買って来てくれました。食べ物だからと玄関先で渡してくれて、そのままおやつとして出しました。とらやの羊羹でしたのでそれはもう分厚く切って三人で食べようとしましたところ、彼はあんこが苦手なのだそうです。私と涼子が好きだからと、きっと自分が帰ってから食べるだろうと思って選んでくれたそうで、私は面食らってしまいました。私はあんこが大好きなのでまったく疑問を持たずに出して、お茶もあつあつを出していました。しかしすぐに、相手の好みを伺いもせずに失礼なことをしたと思って詫びました。彼はとても寛大な方で、羊羹は私が下げましたがお茶は飲んでくれました。 これまで五十年以上生きて来て、娘の大切な彼氏にこんなふうにしてしまうなんて思いもよらず、申し訳なさでいっぱいでした。娘も気にしないでと言っていましたが、次回来る時はぜひ教えて欲しいと伝えました。 次回は来週来るんです。今度は彼氏にしっかり楽しんでもらおうと思っています。 先生、歳をとってもまだまだ学びが必要ですね。人に不要な心配をかけたとあれば、どうしても悲しくなってしまいます。花のように散りゆく命でもないのですから、今からでも先生のような素敵な人間になって、娘にも幸せな人生を送ってもらいたいと思っています。 幸子